君のことが好きだから
溢れる思い
新学期初日。
運動部のひとはみんな真っ黒で。
圭一くんにあった時は驚いた。
元々色黒だったけど部活の練習でやけたのだろう。
真っ白な歯が余計に輝いて見えた。
「篠崎!ひさしぶり。」
圭一くんがニカッと笑う。
「坂本くん。ひさしぶり。…焼けたね。」
「まぁな。篠崎は変わんないな。真っ白だ。」
腕を掴まれ、並べる二人の腕。
急に近づく距離にむねが高鳴る。
シャンプーの爽やかな香りに混じった汗のにおいが男の子だなって。
「全然色が違うな。」
くすりと笑う圭一くん。
「そう、だね。」
泣きたいわけじゃないのに。
なぜだか切なくなって涙がにじんだ。
そうだねで終わってしまった会話。
圭一くんから話しかけてくれたのに。
圭一くんは友達が来ると走って行ってしまった。