君のことが好きだから
保健室へ行くと誰もいなくて
私は少し眠ることにした。
うとうとまどろんでいると
―ガララッ
ドアが開く音。私は目がすっかり覚めてしまった。
誰が来たんだろうと気になって薄く目を開けると目の前に立つ人。
「…さかもと、くん?」
「大丈夫か?…心配だったから。」
起き上がってよく見ると、圭一くんの隣には菜桜がいた。
少し気まずそうに下を向いている。
「坂本くん、話があるの。」
もう、決めたんだ。
「…菜桜は出て行ってもらってもいい?」
振られるのは分かってる。
「大切な話だから。」
菜桜は頷くと外に出て行った。
「話って?どうした?」
不安げな様子を見せている彼のシャツを掴む。
息を吸うと伝わるようにはっきりと言う。