君のことが好きだから


私は二人三脚リレーに参加していた。



運動音痴で帰宅部だから、リレーはやりたくなかったんだけど


親友の菜桜が一緒にでようって言ってくれたから二人三脚に出たんだよね。





でも、体育祭の日。


菜桜はクラス対抗リレーで転んで足を怪我した。




私は急にペアがいなくなっちゃって、一人で焦ってた。




みんながスタートラインに立って私を睨む。



体育委員の人にも一緒に走る人はいないの?って怪訝な顔で聞かれる。



みんなの注目が一斉に私に集まって



焦りと緊張で喉がからからになった。



誰かが私の前で止まった。


ふと、顔を上げると目の前に立っている彼。



「遅くなってすみませんっ!こいつのペアです!」


頭を下げると二人の足を手ぬぐいで結ぶ。



「…なんでっ」


戸惑う私の肩を抱いてスタートラインに立つ。
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