君のことが好きだから
「さっ、坂本くん!」
自分の中では圭一くんと読んでいても平気なのに、話す時には坂本くん。
いつか恋人みたいに名前で呼び合える日がくるのかな?
「ん?どーした?」
私をまっすぐ見つめる目。
机の上には次の授業で使う宿題。
休み時間中にやり終えなくちゃいけないもの。
早く言わなきゃ…
「あ、あのね」
「あー!そーだ!」
二人の声が重なる。
「坂本くんからどーぞ?」
私は緊張を隠すように前髪に触れる。
「あぁ、篠崎ってLINEやってる?」
「う、うん。やってる。」
LINEの話になって動揺が隠せない。
「じゃあさ、篠崎のアカウントちょーだい。」
「いいよ。じゃあ、ふるふる?で。」
携帯を出して振る二人。
でてきた名前を追加する。
夢みたいだよ。
圭一くんから聞いてもらえるなんて。