sweet

そこには、名前は何だっけ?見慣れない顔の男子生徒がこっちを見て立っていた。


ほんのり苺の香りがする。苺味の飴玉を食べているのだろう。


「遅い」


「ご、ごめんなさい?」


「あのさ、」


この男子生徒の顔をよく見ると、かなり整っている


「お前の事好きなんだけど」


「え…」


「付き合ってくんね?」


「…ご、ごめんなさい。私、付き合う…とかよくわかんなくて…」


「知ってる」


彼は笑った。同時に飴玉を噛むボリッという音も聞こえた。


「ねぇ」


彼はそう言ってだんだんこっちへ近づいてくる。


私は思わず後ずさりする。


トンッ


背中が壁にあたる。


それでも彼は近づいてくる。
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