無口で冷たい俺のお姫様
『う、うん』
『やった、ありがとう麗子ちゃん俺嬉しい!』
『そんなことで嬉しいとか………』
麗子ちゃんは苦笑いしながらそう言うけど
俺にとっちゃあ嬉しい限りなわけで
そんなことどころじゃない。
明日からまた楽しみが一つ増えた。
麗子ちゃんがそばにいて
麗子ちゃんが作った弁当を食べれるなんて
何度何百回何千回夢みたことだろうか。
『ふーんふふーん』
ガダッ
『なんだまた気持ちわりいなぁ』
鼻歌まじりに楽しい楽しい昼休みの時間を終えて
教室に戻った俺。
『俺、麗子ちゃんに愛されてる』
『…………へー』
『棒読み辞めろよ』
明らかに興味なさそうな
死んだ魚の目して俺を見やがって。
ま、そんなの今の俺のこの最高の気分で
吹き飛ぶくらいちっちゃなことだけど。