無口で冷たい俺のお姫様



『麗子ちゃぁぁぁん!王子様が来ましたよっ』




放課後、周りにまだチラホラ居る奴らなんて
気にせず俺はそう叫ぶ。



周りはもう当たり前の光景に笑ったり
するだけで特に何も言ってこない。


それに麗子ちゃんも相変わらず
キッツい視線を俺に贈る。



『自分で王子様なんて言う?松浦君て本当変よね』



呆れたように笑う沢木のことは
無視して



『麗子ちゃん!!言い寄られてるしつこい奴ってどんな奴なの』



そう麗子ちゃんの目の前に立ち聞く。



スッと麗子ちゃんの右手が上がったかと思うと


まっすぐに俺を指さす。




あ、あれ、俺?


まぁ間違いではないけど



『麗、今は松浦君のことじゃなくて』



『あぁ、そうだった』



沢木の言葉に思い出したように
俺を指さしてた右手を降ろす。


めげませんよ俺は。


そんなこと言われてされても鉄の心
は砕けません。



『一つ上の先輩。もう来ると思う』



目線を合わせず多分、俺へと話す麗子ちゃん



その言葉と同士くらいに

廊下から




『麗ちゃん!!デート迎えに来たよ』



そう言いながら入ってくる一人の男。



第二ボタンまで開けてピアスして
見た目いわゆるチャラ男。


顔は、、、うむ。


俺のほうがかっこいいだろ。



『行きません』



お、俺よりも冷たい態度?



俺より嫌われてんじゃん。




、、、なんて喜ぶとこじゃねぇだろ俺。


さすがに傷つくわ、自分で傷つくって
どんだけだよ。


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