無口で冷たい俺のお姫様
もっともっと言いたいことはある。
ていうか今すぐにでもこの男の手を
握りつぶしてやりたいぐらいだ。
まぁ残念ながら、漫画みたいに喧嘩強い
わけでもなく、ただ空手や柔道を習ってた
ぐらい。
力はあるとは思うけど殴り合いとかなんて
人生で一度や二度くらいしかない訳だ。
麗子ちゃんの前でそんなことしたくもないし。
『で、どうなんです?嫌われてるのわかってませんか?これ以上まだつきまといます?』
『お前に関係あるのか?』
『俺は麗子ちゃんの王子様ですから、関係大有りです。』
『はっ、王子様ってお前バカ?』
バカにしたようにそう笑う先輩。
まぁそんなこと言われたら
バカにしたくなるわな。それは分かる
分かるが本気で苛つく顔だな。
『こーんな、筋肉なさそうな奴が王子かよ』
『、、、俺からすれば、先輩の方がなさそうですが』
その言葉に右手が俺の襟元を捕らえた。
あらら、今これ殴られそう?
なんて思ってた俺。
その瞬間
『お、王子かどうかは私が決めることでしょ?先輩より松浦君の方が私にとって王子様です』
そう後ろにいた麗子ちゃんが
俺の襟元を掴んでる手をパシッと
叩いて先輩を睨んでいる。
『、、、ば、馬鹿馬鹿しっ!もういいや、別に君のこと本気で好きなわけじゃなかったし』
そう吐き捨てるように言うと
俺をひと睨みして
教室から出て行ってしまわれた。
女の子に言われたのが効いたのか?
悔しそうな顔してたな。