無口で冷たい俺のお姫様



まだ顔が赤い。





『えっ、、、ちょっ、、、』




だんだん近づいてく俺。



机を挟んで座ってる麗子ちゃんの顔が
だんだんと近づく。



なにかを察したのか
麗子ちゃんは目を丸くさせながら少し
後ろへと体を反らす。


でも座ってるしそこまで下がれてない。



あと数センチ。
  



麗子ちゃんとの距離がそうなった時、


麗子ちゃんがギュッと目をつぶる。






俺、なにしてんの?



ピタッと止まる体。



ほんと、あと少しで触れそうなくらいの距離。



耐えろ俺。



キスは駄目だろ。



麗子ちゃんに嫌われてしまう。



本能をなんとか押さえ込み
また止まらなくなる前に椅子に腰を降ろす。




『、、、松浦、、、君、、、?』



ゆっくり目を開けて
椅子に座ってる俺をまっすぐ見つめる。


はぁぁぁ。


危ない俺。



『ごめん麗子ちゃん、今俺、キスしそうになった。ほんと、ごめんね』



せっかくこんな麗子ちゃんを見れたのに
嫌われてはい、終わり。


なんて死んでも嫌だ。



< 29 / 123 >

この作品をシェア

pagetop