無口で冷たい俺のお姫様




駅までの道も電車待ちの間も
麗子ちゃんとの会話は止まらなくて

まぁほとんど俺が相変わらず喋ってんだけど。



麗子ちゃんも笑ったりしてくれて、
今までに考えられないほど変わった。




これが普通なんだろうけど
普通にこそ幸せがあるってもんだ。






『あ、私。次だから』




電車の中
隣同士で座ってから数分。




麗子ちゃんはそう言った。




次なんだ。




あぁ、もうちょい隣に居たかったけど。




なんて言葉は電車の中だし飲み込んで




『そっか、今日はありがと。』




『うん』




『また誘っていい?』




『………別に。いいけど』




よしっ!



これでまた一緒に帰れる!




そう心の中でガッツポーズ。




麗子ちゃんが降りる駅に着き
バイバイと手を降ってくれる麗子ちゃんに
見えなくなるまで手を振り続ける。



俺、こんな幸せでいいのか?




さっきまでの麗子ちゃんを思い出して
ニヤける顔を隠す。



なんか上手く行きすぎてそろそろ
怖くなってきたんだけどな。



良いことだらけで心配なんて
贅沢すぎる悩みだよな。



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