無口で冷たい俺のお姫様



片思いとはなんと辛くて大変なんだ。






麗子ちゃんの考えてることが
分かれば苦労しないんだけどなぁ。








そんなことを真面目に考えるようになってから
数日。




一緒に帰ったのはあれきりで
どうも俺の中で何かが邪魔していつものように
告白まがいの愛情表現が出てこない。




『麗子ちゃん!俺さ、麗子ちゃんのことぉ』




『うん』




『っ…………すっげぇ似合ってると思うその髪型!』




『え?あ、ありがとう』




こーんな具合いに。




きっと、素直に話を聞いてくれてる麗子ちゃんに
戸惑ってる自分がいるのかもしれない。



だから前までのような調子者の俺が出てこない。



それと、もしかしたら怖いのかもしれない。



友達のままで



そんなふうには考えられない




そんな事を真面目に直接言われるのが



怖い自分が出来てしまったのかもしれない。




最近、よくそう思う。



< 68 / 123 >

この作品をシェア

pagetop