無口で冷たい俺のお姫様
片思いとはなんと辛くて大変なんだ。
麗子ちゃんの考えてることが
分かれば苦労しないんだけどなぁ。
そんなことを真面目に考えるようになってから
数日。
一緒に帰ったのはあれきりで
どうも俺の中で何かが邪魔していつものように
告白まがいの愛情表現が出てこない。
『麗子ちゃん!俺さ、麗子ちゃんのことぉ』
『うん』
『っ…………すっげぇ似合ってると思うその髪型!』
『え?あ、ありがとう』
こーんな具合いに。
きっと、素直に話を聞いてくれてる麗子ちゃんに
戸惑ってる自分がいるのかもしれない。
だから前までのような調子者の俺が出てこない。
それと、もしかしたら怖いのかもしれない。
友達のままで
そんなふうには考えられない
そんな事を真面目に直接言われるのが
怖い自分が出来てしまったのかもしれない。
最近、よくそう思う。