無口で冷たい俺のお姫様
『しゃあーねぇーなぁ。ったく………』
『んぁ?おぃ、どこいくんだよ』
ため息をつき、イスから腰をあげると
だるそうに教室から出て行く春希。
いきなりどっか行くとか
悩み聞いてくれてたんじゃねぇの?
数分。
戻ってきた春希が
『ほれ』
そう言って俺に一枚の紙を渡す。
折りたたんである紙を受け取り
開けるとそこには見慣れぬアドレス
誰のだ?
じっと見つめる俺に続けて春希が一言。
『それ、久住のだから』
『あぁ、麗子ちゃんのかぁー』
なーんだ。
『って……はぁぁ!?なんで!』
『聞いてきてやったんだよ、ほれ、帰ろうとか早速メールしてみれば?』
そういえばアドレス知らなかったな。
電話番号もそういえば知らない。
前なら聞いても教えてくれそうになかったもんな、
当たり前になってたよ俺。
ってか、春希がわざわざめんどくせぇこと
俺の為にしてくれたのか………
き、
『気持ちわりぃ…………』
『ぁ”?』