無口で冷たい俺のお姫様




『心配?』



ニヤけてしまう口元を
隠すように手を口元に当てる。



『そう…………松浦くん、好きだって言うけど触ったり、抱きしめたりそんなことしなかった』





そりゃあ、



嫌われたら嫌だもん。




って、



抑えきれずしてしまったんだけど。




『だからね、いきなりあんなことがあって、もしかして触ったりしてこなかったのは好きとかじゃなくてただからかってたから。キスしたのは反応楽しむためなのかなとか。そんなこと考えて…………』





珍しく



長々と話す麗子ちゃんの言葉を
聞き逃さないようにしっかり耳を傾ける。



『そしたら今までのは嘘で、優しくしてたのも、可愛いって言ってたのも全部嘘なんじゃって…………』





ねぇ




麗子ちゃん。




そんなことを



そんな涙目で




そんな真っ赤な顔で話されると




麗子ちゃんを好きな俺は




勘違いをしちゃいそうだ。





そんなこと言われたら



まるで麗子ちゃん。



俺の事、好きなんじゃって思ってしまうよ?










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