年下彼氏、困ります
その6、元カノは私のライバル?
「…ばか」
「会社に来てまず俺に言う言葉がそれか」
矢野くんはやっぱり覚えてないみたいだった。
ひどいんだから。
「はぁ…」
「ながさ___…」
ガチャッ
私の名前を呼び掛けたとき、二人の男女が扉を勢いよく開けた。
「どちら様で……あっ」
「あ!あの子」
男の人は確か昨日目があった人だ。
よく見るとやっぱりイケメンだ。
目が大きくて背が高い。
スタイル抜群。
羨ましいなぁ…あのスタイル。
「昨日泣きながら__…」
「だめ!だめですから!」
「ごめん、ごめん、僕は杉山大河」
「あたしは、荒井薫」
薫さん…って…
チラリと見ると矢野くんは目を見開いて薫さんを見ていた。
昨日言ってた…薫さんだよね…
「海外部でずっと居なかったのよ!ね?」
「でも今日から戻ってやることになったんだ」
「そう、なんですか」
ドクンと変な風に心臓が鳴った。
モヤモヤした感じで苦しい。
「蓮、お久しぶりだね」
「そうだね、薫」
矢野くんの顔はすごく柔らかい顔をしていた。