年下彼氏、困ります
「ここです」
オフィスはまだ荷物でいっぱいだった。
「片付け頑張ってください、では」
そう言って踵を返したとき、
ドンッと低い音がして視界が暗くなった。
「え……」
前を見ると両脇には大きな手が扉についていた。
「永澤サン、なに帰ろうとしてんですか?」
耳元で低い声が響いた。
顔を見なくても分かる…………
さっきと全然違う!
「もう用は済ませましたから」
有無を言わせない矢野くんの雰囲気に負けじと反論。
「へぇ、人をつれ回した挙げ句放置?」
「はい?!」
けれど空振りだったみたいで敬語すらなくなってる。
お腹には然り気無く矢野くんの腕が回ってきていた。
「や、の……く___」
「手伝えよ、片付け」
な
なんなの?!この人!
今日1日で矢野くんの第一印象、生意気に格下げです。