獣耳彼氏
さて、こんな時間に起きたはいいけど何をしよう。
特に遊ぶ予定も入れていないし、することも思いつかない。
つまりは暇だ。
休みの日にずっと家に籠るというのは、私の性格上勿体なくて出来ない。
遊べるときは、思う存分遊びたい。
暇のまま一日を無駄に過ごしたくないと思ってしまう。
どうしようかと思考を巡らせていると。
いつの間にやらお兄ちゃんがキッチンから移動しており、リビングから出ようとしていた。
私から逃げるようにコッソリと。
その姿は気づかなかったが、すでに部屋着ではなくて、すぐに外に出られるような格好をしている。
「お兄ちゃん?こんな朝早くからどこか行くの?」
素朴な疑問。
お兄ちゃんを引き止める形で声を掛ける。
逃げるようなコッソリ加減から、私に突っかかれる前に逃げようとしたのだろうけど、甘いわ。
私がお兄ちゃんの動きに気づかないわけがないでしょう。
面白いオモチャをそんな簡単に手放すものですか。
「ど、どこって。練習だけど」
「練習って、バスケの?こんな朝から?夜もやってるんじゃなかったの?」