獣耳彼氏
秋月くんが、秋月くんが切られた。
秋月くんが切られたんだ。秋月くんが…
なんで、どうして。彼は避けなかったの?
秋月くんなら避けられたと思うのに。
なんで、秋月くんは避けなかったの?なぜ、なんで、なんで、なんで…
「俺のことを嫌いなのはとうの昔から知っている。だからとして、なぜマコトなんだ。直接俺を狙えばいいだろう」
「ええ?!」
分からないの?秋月。秋夜さんが心底驚いたという表情を浮かべる。
「そんなの秋月を襲っても面白くないだろう。いじめるには面白くないと。そんな時に現れたのが彼女だ。使うしかないじゃない」
クスクスと笑う秋夜さん。
おもちゃは楽しく使わないとさ。そうでしょ?同意を求めるように続けて呟く。
それを聞いた秋月くんから異様な空気を感じ始めた。
ビリビリと緊張が伝わってくる。
「ふ……る…な」
俯き呟く秋月くんがバッと顔を上げる。
「ふざけるな!」