獣耳彼氏
「私、秋月くんの彼女になってもいいですか?」
「逆に俺は真琴じゃないと嫌だけど?」
見つめる私を秋月くんも見つめ返してくれる。
夜の空の下でもやっぱり秋月くんは目立つ。
鮮やかな金髪と茶色の瞳、整った顔立ち。
日本人離れしたその容姿。
実際、秋月くんは半妖で人間ではない。
けど、そんなの私には関係ない。
ただ、好きになった人が人ではなかっただけで、何も違いはないんだ。
秋月くんは秋月くん。
たとえ、彼が何であっても私はきっと彼に恋をするんだ。
獣耳が似合う私の彼氏。
「秋月くん。これからもよろしくお願いします。大好きです!」
「…知ってる。俺も好きだから」
秋月くんの顔が近付いてくる。
ゆっくりと目を瞑れば、キスが降ってきた。
軽く触れるだけのキス。
目を開けば至近距離に秋月くん。
照れるけどやっぱり嬉しくて。
顔を真っ赤にさせて、私は満面の笑みを浮かべた。
私の彼氏。
半妖の獣耳がよく似合う、私の獣耳彼氏。