獣耳彼氏
転校生現る!
お昼休み、教室でお弁当を食べていた。
あの日から数週間が経ち、短い秋は終わり季節は既に冬。
12月の寒々しい薄い色の空が窓の外に広がっている。
無事、秋月くんと付き合えるようになったことは京子に伝えた。
あの日、先に帰っていた京子が秋月くんと出くわした時点で予想は付いていたらしい。
余り詳しい経緯を説明することは出来なかったけど、それでも京子は手放しで喜んでくれた。
京子のような友だちを持てて良かったと改めて思った。
このことは本人には伝えられてないけど。
また、いつか言えたらいいなと思える今日この頃。
「あ、そういえば~」
「ん、何?」
「なんか、今日から二年生のクラスに転校生が来るらしいよ~しかも、イケメン!」
噂好きの京子が思い出したように口を開いた。
今日の今日で、それもお昼に二年生から京子の元へと情報が回ってくるの早くないかという疑問は置いといて。
「へーそうなんだ」
「何~興味ないの~?イケメンだよ~」
「うん、別に」
興味はこれといって湧かないかな。
まあ、今日からという変な時期だなーとは思うけど、それだけ。
特に特別な感情は浮かばない。