獣耳彼氏
なーんか、失礼だな、もう。
でも、憎めないのは秋夜さんの人柄かそれとも秋月くんの兄弟だからか。
それにしても、ずっと笑っているのはさすがに。
「笑い過ぎじゃないですか?」
「ごめん、ごめんっ。面白くって。秋月、照れたな」
ん?そこで、なんで秋月くんが出てくるんだろう。
言ってくれなかったのは秋月くんだけど、照れたっていうのがよく分からない。
秋夜さんが私の学校に通うってことになったことのどこに照れる要素があるのだろうか。
「面白いの見せてもらったから、秋月には言うなって言われてたけど教えてあげるよ。この学校に来た理由」
「面白いは余計ですけど、なんですか?一体」
「心配なんだって、君のことが。学校で何が起きてないかーとか、怪我してないかーとかさ、いろいろ。
秋月は別の学校じゃない?別々だから、学校で万が一何かあったときに直ぐに助けられないからって、ボクをここに差し向けたの。
秋月、ああ見えて心配症でもあったんだなーボクも初めて知っちゃった。
それだけ、君のことが好きだってのもあるんだろうけど。
あ!ボクからこのこと聞いたとか言わないでね!絶対、秘密だからね!
秋月が知ったら恥ずかしがって怒るから。
あーあ。ボクにも可愛い彼女出来ないかなー…」