獣耳彼氏
「秋月くん。今日、秋夜さんと学校で会ったんですけど、どうして教えてくれなかったんですか?私の学校に来るって」
あれから、時間が経ち部活も終わった帰り道。
私は秋月くんに今日秋夜さんに会ったことを直ぐに話した。
理由は秋夜さんが教えてくれたけど、本人の口からも聞いてみたいと思って。
きっと教えてはくれないだろうけど。
秋夜さんの言う通り恥ずかしがって。
「もう会ったのか、早いな。まあ、別に教える必要もないだろう。秋夜のことなんて」
「もう、凄く驚いたんですからね!」
「ハハッ、それは良かった」
「良くないですよー…」
笑う秋月くんにため息混じりに言う。
すると、繋いでいた手が離され頭をポンポンとされる。
最近知ったのは、秋月くんはよく頭をポンポンしてくる。
背の高い彼と平均的な私だから、やりやすいのかもしれないけど。
ポンポンされるの嫌いじゃないからなー
なんなら、好きだ。この瞬間が。
「悪かったな」
そう、苦笑いする秋月くんにどうして秋月くんと同じ学校じゃないんですか?とは聞けず。
秋夜さんが秘密に教えてくれたあのことは、きっと本当のことだろうからそれでいいやと思ってしまった。