獣耳彼氏
そういうことで、早速サービスセンターに向かおうとした。そのとき。
「かーのじょっ」
「一人?一緒に遊ばない?」
後ろから、声をかけられた。
加えて、馴れ馴れしく私の肩に触れる手。ぞわっと鳥肌が立つ。
声の感じからどうやら、2人居るようだけど。
嫌々、ゆっくりと振り返ると、そこに居るのはどこからどう見てもチャラい若者2人。
見た感じ、私より3、4つ年上だろうか。
じっとその人たちの顔を見てみれば、まあその作りは悪くない。
髪色はいけ好かないけど。汚い金髪。
自分がかっこいいと生きがっている人に誘われて誰がついて行くものか。
私の一番嫌いなタイプよ。チャラチャラして。
その上、許可もなく私の肩に触れている。
出来れば、私に触れているその手を掴んで背負い投げをかましてやりたい。
だけど、こんなところでそんなことできるわけがない。
今はまだ注目されている訳ではないけど、大勢居る観衆の面前で。
それも、今の時点で特に暴力を振るわれたわけでもない。
肩を触られているだけ。それも、私にとっては不愉快極まりないことだけど。
殴られでもしたら正当防衛で思う存分反撃出来るんだけど、今はそういうわけにもいかない。