獣耳彼氏
そういえば、だ。そう、夢。
夢の中でお兄ちゃんは不思議な力を使っていたけど。
今横にいるお兄ちゃんを見ても到底、そんなことが出来るようには見えない。
そのことに少し安心したのと同時にもう一つ思い出した。
夢の中ではお兄ちゃんの他に女の人と男の人。
男の人は金色の髪の毛を持っていたことを思い出した。
それは、秋月くんの持っている色と同じ。なんの因果か。
夢の男の人と秋月くんは関係あるのかな…
なんか、余計に考えることが増えてしまった。
部長のことと、影のこと。それと、夢。
夢はただの夢なのかも知れない。
それでも、やけにリアリティがあって気になってしまう。
もしかしたら、あの夢が正夢になるんじゃないかと。
今日も一日、不安な気持ちを抱えたまま学校へと向かった。
まずは、目下の問題。
部長をどうにかしないことには、学校でも部活でも。
ましてや日常生活でも落ち着けない日々が続いてしまう。
いつまでも、部長の影に怯えながら過ごすことになるなんて嫌だから。
本当、早急に対策を立てないと、私の気が滅入ってしまう。