獣耳彼氏

どうして…どうして、勝手に送るのよー！


思わず叫びたい衝動に駆られた。


私の心の準備も整わないうちにメールを送ってしまうなんて。


自分で送れって言われたら言われたで、送れなかったかもしれないけど。


それでも…



「京子のバカ！」


「え〜何よ〜協力したのに〜」



恥ずかしいことには変わりない。


理不尽に怒り出す私に京子は慣れている風で気にしない。


だから、私も私で好き勝手言えるんだけど。


京子が秋月くんにメールを送った後に気づく。


どうせなら、やっぱり自分で送りたかったって思うのはどうして…？



ーーブルッブルッ


その時、手に持っていた携帯が震えた。



「あ！返信来たんじゃない？」



バイブレーションは京子にも聞こえていたようで私の手元を覗くために近づく。


メールを受信しましたと、秋月くんの名前が表示される。


それを見て、心拍数が早くなった。


秋月くんからのメールを開く。


それだけのことなのに、今凄く緊張してる。