獣耳彼氏
金髪頭背負い投げ騒動が起きてから2日後の日曜日。
朝からは私の機嫌はすこぶる悪かった。お兄ちゃんのせいで。
今日は特に予定もないし買い物にでも行こうかと、着替えてお兄ちゃんを起きてくるのをリビングで待っていた。
すると、しばらく待っているとようやく今起きました感丸出しのお兄ちゃんがやって来た。
寝癖たっぷりの頭をポリポリと掻きながら。
「あ!お兄ちゃん、今日暇でしょ?買い物、付き合ってよ」
「え、あ。無理」
まさかの一刀両断。
ほんの三言で断られた。ありえない。
間伐入れずの拒否の言葉にお兄ちゃんを睨みつける。
「無理って、どういうこと?…お兄ちゃん、私に技、かけられたいの?」
お兄ちゃんが来ないってことは、荷物持ちが居ないってことじゃんか。
たくさん買うことが出来なくなるじゃんか。
お兄ちゃんのくせに私の言うことを拒否するなんて許せない。
ゆらゆらと立ち上がり、お兄ちゃんの元へと歩み寄る。
「いやいや!マジで、無理なんだって!前にも言ったろ。俺、休みの日も練習があるんだって!」
そう言ったお兄ちゃんは、私から逃げるように慌てて2階へと戻って行った。
それほどにまで、私に技をかけられるのが嫌なのだろう。