獣耳彼氏



「もう、一体どうしたらいいの…?」



ベットの上に座り込み項垂れる。


考えては考えてはゴールの見えない迷宮の奥底へと陥ってしまう。


頭はスッキリすることができないけど、身体的にだけでもサッパリさせようとシャワーを浴びることにした。



まだまだ時間は朝の四時を少し過ぎたところ。


早い時間だけど目は覚めてしまったので私は活動を始めた。


着替えを持ってお風呂場へ行く。


朝早いからお湯は溜められないのでシャワーだけで済ました。


それだけでも、お湯に浸かるまではいかないけど、サッパリ出来る。


念入りに髪の毛と体を洗って、上がったらこれまた念入りに髪の毛を乾かす。


強情なくせ毛は丁寧にブローしても言うことを聞かないので、いつもと同じ耳の後ろあたりでツインテールにする。


朝の五時を過ぎた頃、全ての準備が整ったので、いつの間にやら明かりの灯っているリビングへと向かった。



「おはよー」


「あら、真琴。早いわね、おはよう」


「おはよう」



リビングには当たり前にお母さんが居た。


それとは別に久しぶりに見る姿。


ダイニングテーブルの定位置に座るダンディなおじさま。



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