う わ さ

鬼ごっこ



俺達は必死に走った。

貴代子を捜すために─…


しかし、何処に走っても悲鳴は聞こえてくる。

「はぁ…はぁ…」

亜依はその場にしゃがみこんだ。

「大丈夫か?少し休もか?」


俺が言うと亜依は首を横に振って大丈夫っと言って立ち上がった。

やっぱり亜依の体が心配だから隅に隠れた。

「まず、和也達をさがそう。問題はそれからだ」

「うん…貴代子って何者だろ…」


俺はそっと図書室で見つけた本を亜依に渡した。


「───…?」

亜依は首をかしげながら本を読み始めた。


"キャァァァァ!!"

まだ悲鳴が聞こえる。

 
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