う わ さ


なぜ…だ?

貴代子は体をフルフルと震わせて俺達を睨む。

「マケナイシ…ネ!!」

グワっと俺達とは逆の方を向くと廊下を走って行ってしまった。


「行ったな…亜依?
どうゆうこと??」


俺は腕の血を止血しながら亜依に聞いた。

「待って…今、広斗の
止血したら言うから…」

亜依は俺の横に来て
大きなハンカチで俺の腕に巻いた。


「ありがとう」

「いいえ♪
…じゃあ…あの切れ端のこと…説明するね。

貴代子はね…いじめられてたけど一つだけ心の支えになることがあったの。
それはね─…


陸上だったの…」


陸上……?

「走ることが好きで
別にそんなに早い訳じゃ
ないんだけどただたに
走ることが好きだったの…。

貴代子は陸上のことになると誰よりも負けず嫌いになって
足の早い人がいると敵意識して負けないために違う所に練習しに行くの。

やっぱ頭がいいから
足が早い人、遅い人が
分かるらしい…。
広斗を見て敵意識したのかな…
でも、また見つかったら
殺されるけどね…」


貴代子が陸上……?

陸上部が廃部になったのと何か関係あるのか?

 
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