花咲く頃に


「美桜は、俺の心臓だ。もう…どこにも行くなよ?」

「は?どこにも行くつもりはないよ。」

なんで、うちが心臓なの?
本物があるでしょ?満くんにも…
それにどこかに行く当てなんてないのに。

「だって、俺は美桜がいないと呼吸の仕方も忘れそうだからな。」

そうなの?

「今朝、呼吸の仕方を忘れかけてた。」

「うちは、永遠に満くんのそばにいるから。絶対に呼吸は忘れさせないからね。」


「そっか。よかったよ。俺は…幸せだ。」

「それは、うちもだよ?」

いっぱい傷ついて…
体も心もボロボロになって…
周りにも迷惑をかけて回り道をしてようやく同じ道を歩けるようになった。

「これから満開になって欲しいね。」

青春という…花が…
私たちの花は咲き始めたばかりなんだから。



fin…

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