花咲く頃に

『たこ焼きが食べたいよ。』

『仕方ないな、美味しいたこ焼き食べよっか。』

ほら。
やっぱり記憶が戻ってくる。
予想はしてたけど、なんか怖い。

「伊宮?大丈夫か?」

気付いたら、伊藤くんはもう何歩も先を歩いてた。

「大丈夫だよ。…わぁぁ。」

「伊宮!」

うちってやっぱり小さいのかな?
人に押しつぶされ、流されちゃってます。
もうどんどん離れていく。
あーあ、ばいばいって言えなかった。

でも、これ以上遠くに行くことは無かった。

「お前って、ほんとバカだよな。」
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