花咲く頃に

「大丈夫だ。連絡はいれてあるから。女子寮にも。」

「ありがとう。」

いつのまに連絡したんだろう…
みんな、考えて行動してくれているんだ。
うちも見習わなきゃ。

「ほら、またはぐれるなよ?」
「うん。」

手を差し出されたけど、次は迷子になんてならないもん。
だから、わがままなうちは先に歩き出す。

「置いてくよ?」

「お前…いい度胸じゃねぇか。」


昔も…こんなふうにその子を困らせたっけ。

どんどん鍵をかけたはずの記憶の扉が開いていく。

1つ…
また1つって…
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