姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「くそっお前か!」

半ば八つ当たりにそれだけ言うと、豊丸は、

『「お前か」って何だよ、
失礼だなもう!』

とおどけて言った。


豊丸は時々こんなふうに、
どうでもいい事を喋るためだけに電話をしてくる。女子かよ。

『あのさー、俺さっきご飯食いに、レストラン行ったー。
父ちゃんも母ちゃんも出かけてたから妹となんだけどさー、
丁度クリスマス期間で割引きいたから、
デザート代浮いたんだぜー。
良いだろー!』

「別に羨ましくねーよ!
ていうか、それだけか?もう切るぞっ!?」

こちとら大変な思いしてるってのに……!
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