姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「た…ただいまじゃないよ姉さん!
今まで何してたんだよ!


ってか、この人誰!?」



早口でまくし立てると、
姉さんは男に玄関に下ろして貰い、
ごめんね、と言った。


「…私、この人に助けて貰ったの。



今朝、車にひかれてちゃったんだけどね…」



「えぇ――っ!?」

「そんなに驚かないでよ。

私が一番びっくりしてるんだから」



よく見ると、姉さんは全身びしょ濡れで、
制服も所々汚れていた。



だが、大きな怪我は無いらしい。

『とりあえず、中入ろう』となって、
姉さんが着替えて椅子についた時、やっと男が口を開いた。
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