姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

エリアルは、まるでセレナに興味が無いといったふうに立ち上がり、
コートを手に取った。

「つれないじゃない。
あなた何しにここに来たのよ」

酒場は、昔から別の意味でも使われてきた。

……セレナは、そういう誤解されても、
構わないとさえ思っていた。

だが、エリアルは首を横に振るだけだった。

「ただ、飲みに来ただけだよ。
その手の誘いなら、別の奴にしてくれ」
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