姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①

俺は、ダッシュで部屋中の電気を消して、
戸締りをきちんと確認してから外へ出て、
全速力で自転車を漕いだ。

さすがに、ギプスだった方の足は、
完全に筋肉が落ちていてすぐ疲れる。

だけど、甘えてる暇は無い。

大丈夫、大丈夫、もう少し速く……!

自分の体を騙しながら、
俺は人通りの少ない道を自転車で突っ切った。

ただひたすらに、例の保育園を目指して……。

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