姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「僕の名前はエリアル。

エリアル=エステバン。

…よろしく、タカシ」





「…あんた何?」





もう一度同じ質問をすると、
男――エリアルは観念したように肩をすくめた。



「――吸血鬼、エリアルは正真正銘の吸血鬼よ」




そこで姉さんが、自慢をする子供のように言った。



「吸血鬼ぃ――っ!?」



俺が情けない声を出すと、
二人は顔を見合わせて笑った。
< 12 / 292 >

この作品をシェア

pagetop