姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
だけど今、物が壊れる音は止んでいる。
まさか……決着が着いたって事か?
だとしたら、エリアルは……。
「何で、ここにいるんですか?」
俺は、正直に尋ねた。
彼女は、きょとんとした顔をする。
「……さっき、ここに外人男が来たはずなんですけど」
「ああ、それだったら」
チャペルの方に。
セレナさんは、チャペルがあるであろう方向を指差した。
「違う、俺が言いたいのはそういう事じゃない」
自然と、声に力が籠った。