姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
自分を襲った男。
彼は、灰になる寸前に、そう言っていた。
『同族を殺す…
…生きる為には、それしかない……』
その言葉通りだった。
彼女の記憶は、一旦そこで途切れた。
(私……死ぬのかしら)
しかしセレナが正気に戻った時、体力は完全に回復していて、
彼女は知らない家の一室で、灰まみれになっていた。
後から、ある日突然消えてしまった、
そこに住む老人は、化け物だったという噂を聞いた。
(私がやったんだ……)