姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
コレットの真実
「……私、小さな頃から、仕事が嫌でした。
着せ替え人形みたいに、色んな服を着せられて、写真を撮られて…
…CDを出したり、CMやドラマや映画にも出ました。
私の母、いわゆるステージママだったんですね……」
セレナさん――いや、コレットさんは、ぽつりぽつりと語り始めた。
「だから私……二十歳の誕生日になった時、逃げたんです。
でも、私は何も知らなかった。
ずっと周りから『守られた世界』の中にいて、世間知らずで、
それでも何とかなるって思ってたんですから。
……ただ、持っていたお金が終わりそうになった時、
変な人に声をかけられたんです。
良い仕事がある、って。
……危うく私、売られるところでした。
それを助けてくれたのが……セレナさんだったんです」