姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「その声……孝君ね。

エリアルをここへ仕向けてくれて、どうもありがとう。

あなたのお姉さんなら、そこで寝てるわ。ほら」

(『ほら』って言われても……)

「あら、失礼。

不便な人間は、夜目が利かないものね……」

明らかに、こちらを馬鹿にした言い方だった。

しかし、その言葉の数秒後に(おそらくは)セレナの靴音がして、


ぱっとチャペルが明るくなった。
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