姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
彼女は俺に暴力を振るい、半ば呆然としながら、
抑揚の無い声で言った。



「……何よ、人間なんてこんなに弱いじゃない。

……なのに、何でよ……どうして庇い合ってんのよ…

…馬鹿じゃないの……。


こんなに……弱くて脆くて、どうせ一緒にいたって、
すぐ死んじゃうのに……どうしてどうしてどうして……!」



セレナは、頭を抱えて叫んだ。





「――どうして『私』じゃないのよ!!」




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