姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
それを食べてしばらくすると、豊丸がまた来た。



「タカー……」

「今度は何だよ……」



空になった弁当箱を仕舞いながら、
うんざりしたように訊き返すと、


「現文のノート写さして!」

「やだ!」

答えの決まっている数式とは違い、
現文はまるっきり『自分の答え』だ。



自分の考えている事を読まれるなんて、
そんなこっ恥ずかしいマネできない。



「いーじゃんちょっとくらい。
俺、宿題当たってんだよ」


「ダメ、俺も当たってる」

「頼む!」
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