姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
すると、少し迷った素振りを見せてから、
エリアルは姉さんの前からどいて、
姉さんを起き上がらせて、肩を支えた。



「……何のつもりよ」



その様子を見ていたセレナは、低く呟いた。

それはそうだ。

だってきっと、好きな人が自分じゃない誰かを気遣っている様子なんて、
見たくないに決まってる。




多分、今の言葉はそれをひっくるめて言われたに違いない。



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