姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
例え追い駆けても勿論、豊丸は待たない。



こいつは、俺の反応を面白がっているのだ。


だが、それを全て受け流して、
興味の対象から、外れるようになれるほど、俺は大人じゃない。




豊丸は階段を下りて、二年生の教室の前まで逃げていた。




どこまで逃げる気だ!?




「いい加減にし……」
 
言葉は途中で遮られた。
 


俺にぶつかって来た肉の壁によって。


 
豊丸が「あっ」という顔をした。





でも、もう遅い。
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