姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
セレナはコレットの手を借りて、
ゆっくり起き上がりながら、静かに言った。


さっきよりもずっと、声が落ち着いている。

しかも、セレナはこれまでの形相が嘘だったように、
穏やかな表情になっていた。



「セレナさん……」



コレットさんが上ずった声で呟くと、
セレナはきまり悪そうに笑った。


「ごめんね、コレット。

ここまで振り回して……」



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