姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「違うんです、違うんです……。

セレナさんは、謝んなくていいんです。だって……」


コレットさんは、小さな子供のように言った。


「逃げたがってたのは、私……」



「私も同じよ、コレット。

私も、吸血鬼としての自分から逃げたかった。


……結局、逆に嫌ってほど実感する事になったけどね。


そろそろ、フランスに帰りましょうか。

いい加減、お母さん達も心配してるんじゃない?


特に彼女は、あなたを人一倍可愛がって、
大事にしてたから……」


「はい……」


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