姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
「………」

セレナは、唖然としていた。



「そうだな……例えば、好きだったり、
大切だと思える人と出会って、同じ時間の中で生きる。


そして、その人死ぬまで一緒にいたいと願った時に、
初めてそれまで凍っていた、




自分の時間が動き出す……ってところかな」





「何よ……それだったら、
最初から私に、勝ち目なんて無かったんじゃない」



セレナは、皮肉っぽく笑った。


だけど、諦めというマイナスのイメージは感じられなくて、
むしろさっぱりとしている。


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