姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
だから、反射が鈍かったのか……。

セレナは、妙に納得した。


「そうね……だけど、ちょっと悔しいわ」

「え?」

「私、もっと早くに素直になれば良かったのかもしれない…
…いつも、自分の本当の気持ちを裏切ってばかりだったから。


心に垣根を作っていたのは、私達吸血鬼の方だったんだわ……。

何十年、何百年経っても頑固なままで、
人間を『獲物』や『迫害者』としてしか見られなくて。



ふふっ、今になって気付くなんて」




自分達を受け入れてくれる人間は、探せばきっといるのに。



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