姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
(……ああ、惜しいな。

もう少し若くて美人なら、立派に白衣の天使なのに)


俺はかなり失礼な本音を胸に仕舞って、携帯電話を手に取った。

そこで、ふとさっきの彼女のセリフが引っかかった。


(ちょっと待て、『あの男の人』……?)


そっか、あの人もエリアル狙いの一人か。すぐに分かった。


以前、俺が階段から落ちた日、
そういえばエリアルが俺を迎えに来た。


その時、俺達の周りはちょっとした騒ぎだった。






……つまりは、まあそういう事だ。



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