姉さんの彼氏は吸血鬼 孝の苦労事件簿①
ソファーに戻ってきたエリアルを、俺が小突くと、



「いや、中華料理に入ってるやつって、生っぽくて硬いだろ?

単に嫌いなだけ。




人間だった時から……」





「えっ?……ああ、そうか」


『人間だった時』。


俺の見た限り、エリアルはまだ、
人間と吸血鬼の間に、ラインを引いている。



(でも、俺からしてみれば、
充分にエリアルは人間みたいなもんだけど……)



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